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「おーい、早く誰か来てくれ。」
「はい、はい、分かりました。」
若い女の声だ。
それも知らない声だ。
そして訛りというかちょっと言葉に違和感を感じた。
カギを開ける音がしたとともに、その声の主だと思われる女性が顔を出した。
メガネを掛けているが、そのメガネの下からのぞく目は、美しいと思った。
均整の取れた体系といい、長くなびく髪の毛といい、とても綺麗な人だと思った。
しかし、全く知らない女性だ。
「はい、はい、ごめんなさい。
ぺ、いえ、パク大統領。起きましたか。
ご飯は、もう、出来ていますよ。」
パク、たぶん、この名前で間違いないはずだが、彼は、今思い出した記憶を疑い始めていた。
何故かというと、この目の前の女性は、白衣を着ていたからだった。
どうやら、ここは、病院のようだ。
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