01.事件は、突然起こるもの。

4/4
23人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
「すぐに救急車を呼びましょう。相手が居ないようですね、警察も呼びましょう。」 サラリーマンは通勤途中だったのか、大きな声を聞き付けて一目散にやってきた。 身内ではないからその対応も冷静だった。 「あ、ありがとう、ご、ございます。よろしく、お願いし、します、、」 普通に声が出せない程に取り乱している。 深呼吸しようとすればするほどに、声が上ずってしまっていた。 希と呼ばれた女の子は倒れたまま、ピクリとも動かなかった。 そして真っ赤な血液がどこからともなく流れ出している。 希以外の他の園児たちは何事もなかったかのように、ピンピンしていたのだった。 園児たちの身体はなんともなかったが、目の前の事故に動揺し泣きじゃくったり、大声で叫び出している姿は異様なものだった。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!