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「すぐに救急車を呼びましょう。相手が居ないようですね、警察も呼びましょう。」
サラリーマンは通勤途中だったのか、大きな声を聞き付けて一目散にやってきた。
身内ではないからその対応も冷静だった。
「あ、ありがとう、ご、ございます。よろしく、お願いし、します、、」
普通に声が出せない程に取り乱している。
深呼吸しようとすればするほどに、声が上ずってしまっていた。
希と呼ばれた女の子は倒れたまま、ピクリとも動かなかった。
そして真っ赤な血液がどこからともなく流れ出している。
希以外の他の園児たちは何事もなかったかのように、ピンピンしていたのだった。
園児たちの身体はなんともなかったが、目の前の事故に動揺し泣きじゃくったり、大声で叫び出している姿は異様なものだった。
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