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「希ちゃんのお父さん。僕はシンギュラリティを少し知っています。数週間前くらいにシンギュラリティを知りました。
たまたま見ていたテレビでその特集をやっていたんです。確かGoogle社のレイ・カーツワイル氏がテレビの中でしゃべっていました。
僕はコンピューターに興味を持ち、高校に入学してからはプログラムを専攻しました。
だからテクノロジーの進化というものにはとにかく敏感で、テレビの内容も衝撃的なものだったんです。それからよりAIについて深く学びたいという気持ちが湧きました」
勇気は内心びっくりしていた。まさか希の父親がこんなにコンピューターに詳しいなんて。
それどころか最近知った用語までもずらりと並べて、流暢にしゃべっている。希の命が助かった、という喜びも通り越して何だか関心してしまう。
「でもそのシンギュラリティのお陰で希ちゃんは助かったという事なんですよね!?それは凄い事ですよね??とにかく希ちゃんが無事ってことがわかってよかったです。そしてお父さんが来たのも納得できました」
勇気はいつもとは違い、夢中になってしゃべっていた。
テクノロジー関連の話になると、お尻に火がついたように急激に燃え始める。その勢いで続けざまに話をした。
「希ちゃんは今でも元気なんですか?それだけが心配になっていました」
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