23人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうか、勇気くんはこれまで辛抱強く生きてきたんだね。それは本当にすごいことだと思うよ。
実は私もね、幼い頃は勇気くんと同じような考えを持っていた。だから少しだけ気持ちが分かるところもある。
確かに人間って不思議な生き物だよね。学校ではたくさん話す人もいるけど、全く話すことをしない人もいる訳で。
そんな個々の集まりの中でなぜ話さなければならないのか?そんなこと普通に考えても分からないよね。でもそもそもその疑問を持つ人自体が珍しいよね。周りにそんな友達って居なかったでしょ?」
「分からなかっただけかもしれないですが、僕の周りにはいなかったと思います」
「そうだよね。考え方の違いだけで人って嫉妬したりして、結局いじめられちゃったりするんだよね。
だから勇気くんが良いとか悪いとかそういう問題じゃなく、きっと勇気くんのそういう考え方や行動を見ていて嫉妬して気に入らないから、仲間外れにしようとしたんじゃないのかな?
私は大人になってからそういう風に納得する答えにたどり着くことができたよ。そういった意味ではAiでは出来ない”人間らしさ”みたいな物を感じることができるよね。
確かに勇気くんにとってはとても嫌な体験だったかもしれない。けど何かのキッカケでそれが180度ひっくり返るっていう事だってあるかもしれない」
信二の話を真剣に聞くと、勇気は納得したような表情でふっと肩をなでおろしていた。
最初のコメントを投稿しよう!