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元日は午前中家族でまったり過ごし、午後に母屋へ年始のあいさつをしにいった。 そして2日に篠原家が橘家にお年始のあいさつに来てくれて盛り上がり、3日はまた離れで家族だけでまったり過ごした。 そうしてお正月の三が日が終わると、いよいよ葵くんの入試の準備が本格的に始まった。 僕と湊がリビングで過ごす日中は寝室で、そして夕食を終えるとリビングで葵くんは勉強していた。 その集中力はすごくて、最初の心配なんて全然いらないくらい勉強をしている。 僕と再会する前は塾に通っていたけど、僕が篠原家にお世話になるとやめてしまった。一緒にいる時間を減らしたくないんだって。その時も心配したけど、この集中力があれば、却って塾は邪魔かも。志望校も一校だし、ここまで来るとひたすら過去問を解くだけだからね。 でもあまり無理しないでね。 僕は心の中で心配しつつ、葵くんを応援していた。 そんなこんなであっという間に入試一週間前になり、僕と湊は1ヶ月健診の日となった。 1ヶ月ぶりの病院。 本当は葵くんもついてくるっていってたんだけど、この時期に風邪やインフルエンザにでもかかったら大変なのでお留守番をしてもらった。 心配してくれるのはありがたいけど、僕の方が気が気じゃない。いくらアルファは身体も丈夫だって言ったって、病気にならないわけじゃないものね。 そうして僕は湊を連れて2人で受診しに来た。 僕も湊もいたって順調。なんの問題もなく健診を終えた。これからはお出かけもできる。まだまだ寒いけど、天気のいい日はお散歩に出かけよう。 普通の診察時間内だったから兄とは余計な会話は出来なかったけど、少しだけ近況を話してちょっとリフレッシュした。 「じゃ、近いうちにまた実家行くから、そのとき話そう。葵くんに入試頑張れって伝えてくれ」 「わかった。秀兄ありがとう」 こうして滞りなく健診も終わり、僕は家路についた。 実は今日は実家の車で来ているのだ。 元々免許もあるしペーパーではなくて、ただ単に自分の車を持ってなかっただけなんだけど、やっぱり子供がいると車は便利だよね。 車、考えようかな・・・。 車があったら湊を連れてのお出かけも買い物も楽だし、両家の行き来もしやすくなる。 葵くんが卒業したら新居を探して引っ越す予定なんだけど、それを郊外にしてお家賃を抑えたら、車買えるかな? 多分親(兄)に言ったら買ってくれちゃうんだけど、それもイヤだしなぁ。 車のことは内緒にしとこ。 本当は久々の外出でどこか寄り道をしても良かったんだけど、葵くんが心配しているからまっすぐ帰ることにした。
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