瑠璃くんの想いを乗せて!春のハイキング♪

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 四月。温かくなってきて撮影の衣装も薄着なことが多くなってきた。それでも合間の休憩のお茶の時間はみんな温かいコーヒーや紅茶を口にしている。みんなが想い想いにおしゃべりしている中、俺は一冊の雑誌を食い入るように見入っていた。 「瑠璃ーー、何見てんの? 」  良くんが俺の背中から手をまわし俺が見ていた雑誌を覗き込む。 「へぇ。神社仏閣の特集かぁ。瑠璃がそんなの興味持つの珍しいね」 「うん。母さんの安産祈願にお参りに行こうと思って。でも、気になるとこ山の上なんだよね」  俺がはあとため息をつくと薫蘭風ちゃんも雑誌を覗き込む。 「あー。私、ここ昔行ったことある! 駅からハイキングするにはいい景色のとこだよ? 」 「いいじゃんいいじゃん。学生だけでハイキング行こうよ! 」  良くんが軽々しく口にする。 「日帰りできるかなぁ? 」 「いや。泊まりでもいい。行ってこい。せっかくの春休みだからな。それに生まれたら瑠璃も簡単に外泊は難しくなるだろう? 」  伊織先生ってへんたいさんだけど話は分かるんだよね。 「よっしゃぁ! 旅費は先生持ちだよね? 」  調子に乗るげたんわくん。 「な訳なかろう。個人的な外泊とか自前で賄え。私は今年もゴールデンウィークの温泉旅行で旅館を貸し切りにするんだから、そこまで頼るなよ」  まぁ俺はもともと自費で行く気だし、俺以外もそれなりにギャラ貰ってるから痛い出費でもない。 「じゃぁ行く人ーー! 」  良くんが手を挙げて叫んだ。手をあげたのは、もちろん俺に薫蘭風ちゃん、げたんわくん、香多くん、束砂さん、更紗さん、大と徹と学生全員参加となった。 「それから親父! 安産祈願に行くとか母さんに言わないでよ! 恥ずかしいから! 」 「まぁったく瑠璃は可愛いんだから! はいはい言いませんよーー! 」  なんかイラッときたけど親父は約束は守るから大丈夫だろう。  学生だけで出掛けるってあんまりないからちょっと嬉しいかも?
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