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 僕は呆れたように溜息を吐くと、彼女が「あっ」と言って明るい顔で立ち上がった。僕の隣に立つと、どこかからか椅子を引っ張り出して座る。 「じゃあ、私がやりたい5つのコトに付き合ってよ」 「嫌だよ」 「何でよ、まだ何したいか言ってないじゃない」  僕は嫌々な表情を浮かべると、彼女が構わず話を続ける。 「私、壱君とに行きたい!」 「遊園地? 嫌だよ、僕は行かない。友達を誘って行けばいいじゃないか」 「壱君と行きたいのっ」 「僕は行かない」  彼女は唇を尖らせると、僕をじっと見る。しばらく睨めっこが続いたが、僕が先に反らしてしまい彼女がそれを見て「壱君の負け~」と楽しそうに言った。  本当に彼女が死にたがりであることなんて、言われるまで気づかない。言われても信じないだろう。それだけ彼女は明るい。 「じゃあ遊園地がダメなら、買い物は?」 「嫌だ。言ってるだろ、僕は目立ちたくないんだ。青木さんとどこかへ出かけるなんて、ごめんだね」 「買い物するだけじゃ、目立たないわよ」 「同じ学校の奴らに見つかったらどうするんだ」 「見つからないように、遠出するから」 「却下」  彼女は背もたれに体重を預けると「え~」と嘆き悲しむ。僕は当たり前だとでも言うように溜息を吐くと、本を開いた。読み進めようとすると、それを彼女の声が阻む。 「じゃあ海に行こうよ! うーみ」 「海? もう夏終わってるけど」 「泳ぎに行くんじゃないよ、見に行くの」 「何のために……」 「鑑賞だよ、鑑賞。秋の海も綺麗だよ?」 「一人で行けよ、僕は行かない」 「秋の海なら誰もいないじゃない」 「それでもダメだ」  僕はまた本を読もうとすると、彼女が見兼ねて僕から本を奪う。僕は「おい」と口にすると、彼女が本を膝上に置いて、目を細めながらこちらを見た。 「人が喋ってるときはちゃんと
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