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 慣れない彼女の沈黙に、気づけば振り回されている自分に驚いた。今まで一匹狼のように孤独を好んでいた僕が、彼女と交流をするようになってからこれほども人が変わった。他人に興味を示さなかったくせに、彼女には興味を持っている。いや、彼女だけじゃない。他の奴らにも興味を持つようになった。  これは僕にとって大きな進歩だ。  いや、違う。僕は彼女のことだけは、。 「……どれが一番やりたいの」  僕はぼそりと呟くと、彼女の方を向く。彼女は僕を驚いたような目で見ると、すぐに顔を子供のように輝かせた。 「遊園地!」 「え゛っ……遊園地……」  僕はしばらく考えると、唇を舐めて、それからこくりと頷いた。それを見て彼女がさらに目を見開く。 「行ってくれるの……?」 「ただし大きな遊園地じゃない。小さな遊園地だ。デパートの上にあるような遊園地に限る」  僕は語尾を強めて言うと、彼女は立ち上がって僕の手を握る。僕はドキッとして、それから頬が赤らめないように必死に平常心を保った。 「壱君、ありがとう!」 「……手、離して」 「あ、ごめん。嬉しくて、つい……」  彼女は僕の手をパッと離すと、照れたような笑みを浮かべる。  僕たちはいつ遊園地に行くかを決め、その日は別れた。遊園地は二人の予定も考慮して、大分後に行くことになった。季節が春になった頃だ。今は秋だから、冬を越えないといけない。大分後だ。  でも冬を越えて、春が来ても、夏が来ても、秋が来ても、冬が来ても、何年経っても僕たちの約束は。  ———約束の日、
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