悪役令嬢の最後の一手

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 ヒロイン一行の歩みと共に、断罪の時が迫る。  昨日までいた悪役令嬢の取り巻きはすでにいない。会場にいるのは確認したが、こちらには近寄りもしないあたり空気を読むのに長けているのだろう。  嫌がらせは一緒にやったのに、断罪されるのは悪役である公爵令嬢ただ1人。  ずるいわ。  あいつら嫌々じゃなく、かなりノリノリでやっていたのに。  なにしろヒロインを気にかける男は顔も地位もいい。それだけで、同性から嫌われるには十分だ。  取り巻き使っていろいろやったけど、こっちが1人になったとたん、集団でやってくるヒロインもなかなか酷いわよ、ね?  いじめっ子といじめられっ子が逆転して同じことしているんだから、善性のヒロインなんて認めないわ。  同じ穴の狢ってヤツよ。  人を呪わば穴二つでもいいかも。  ギャンブルなんて好きじゃないけど、他の方法が思いつかないから。  悪役令嬢とヒロイン。  生き残るのがどちらか試してみましょう。  負けたところで悪役令嬢はちょっと死亡が早くなるだけ。  無抵抗で破滅を待つ主義じゃないの。  1人だけ不幸になるくらいなら、皆んな巻き添えにしてあげる。  失恋した女の恨み思い知れ。  リディエスタ(悪役令嬢)ユミア(ヒロイン)の視線が交わる。  ユミアは王子の腕を強く握り、王子はユミアを守るために一歩前に出ようとした。  しかし、マンティアーノ王子が断罪の言葉を告げる前に、頭上で光輝いていたシャンデリアが落ちる。  破壊音と悲鳴が響き渡った。
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