日常31 夢の中のプヨ

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平日の夜中3時。プヨはふと目が覚めた。カーテンをしていない窓から外を眺めてみると、星空が輝いて見えた。 「ふぁ~あ。今日も天気は良さそうだな。ミィは…。」 プヨが窓からミィの寝床に目を向けると、仰向けで前足後ろ足を全開という露な寝姿のミィにプヨは苦笑いをした。 「…ミィ。いっつもその格好で、しかも幸せそうな顔。どんな夢見てんだろ。」 プヨはミィの寝顔を観察するのが好きだった。プヨはあくびをして微笑ましくミィを眺めていた。 「ムニャムニャ…。」 「ん?寝言かな?」 ミィの寝言は珍しいことではない。プヨはミィの寝言を聞くのが好きだった。 「ムニャムニャ…あ、プヨのバカァ!…ムニャムニャ…。」 「…ん!?ボクの夢見てるのか?夢の中のボクはなんでバカ呼ばわりされてんだ。」 「ムニャムニャ…プヨのエッチ!…ムニャムニャ…。」 「なっ!?一体どんな夢見てんだ!?」 ミィのことだから、夢から醒めても現実と夢を混乱するだろうと思ったプヨは、自分のためにもミィを起こすため金魚鉢から顔を出して名前を呼んだ。 「ミィ!起きて!何だかわかんかいけど、そんな夢見ちゃダメ!」 「…ムニャムニャ…プヨは泥棒さんだ!…ムニャムニャ…。」 「な、何か夢の中のボク、どんどん酷くなってないか。」 金魚鉢から出ることが出来ないプヨは叫んで起こすことが精一杯だったが、ミィは全く反応せずに、お腹をボリボリ掻きながら気持ち良さそうに寝続けた。 「…ムニャムニャ…プヨ待ってよ!そんなことしちゃダメだよ!…ムニャムニャ…。」 「…何だか夢の中身が気になりすぎて、このままじゃ寝れなくなりそう。」 諦めきれなかったプヨは金魚鉢の中で飛び跳ねて、器用に尾びれをバットのように使って水をミィ目掛けて飛ばした。 ピチャッと見事にミィの顔に水が掛かった。 「んにゃ!?」 「当たった!ミィ!」 ミィが前足で顔をクシクシと拭くと、何事も無かったかのように再び静かに眠り続けた。 「…むむむむむ。」 プヨはもう一度飛び跳ねて、今度は2連打で水を飛ばした。 ピチャッピチャッと今度も見事にミィの顔に掛かり、ミィが不機嫌そうに顔をしかめた。 「ムニャムニャ…プヨ、オシッコは向こうでしてよ!…ムニャムニャ…。」 「オ、オシッコじゃな~い!!」 頭に来たプヨは重りが付いた模擬海藻をヒレで掴み、力いっぱい引っ張って水面から出すと、ハンマー投げの要領でグルングルン回し始めた。 「これで起きろーー!!」 プヨがタイミングを計ってヒレを離すと、海藻はヒレから離れ、真上に高く飛ぶとそのまま垂直落下した。 「あれ?…あ!うわああああっ!!」 ボコンッ! 朝7時。 「ふにゃあ~っ!良く寝た。プヨ、おはよー!」 ミィが身体を伸ばしながら金魚鉢に視線を向けると、プヨ水面に浮くように寝ていた。 「ありゃ、プヨまだ寝てるぅ!ウチのが早起きだったね。お寝坊さん!」 プヨはミィと楽しく遊ぶ夢を見ていた。 「あ、プヨなんか笑ってるぅ。…ん?何だこれ。」 ミィは、プヨの頭に出来てるたんこぶを見て、首を傾げた。
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