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ここは小鳥の自宅。それでも彼が連れて帰ると言ってくれた。たぶん、いまなら――。小鳥もそう思う。だって、身体の奥から何かが溢れて、零れおちそうになっている。今まで以上にジンジンと熱くて、つきんつきん痛い。いまならきっと翔兄を受け入れられる。身体がそう知らせてくれる。
でも。
「行って翔兄。私、ランエボのことが落ち着くまで待っている」
「はあ。なんでだ。この前から――」
邪魔ばかり。そう呟きながらも、最後に翔は、小鳥の目元にそっとキスをしてから離れる。一息ついて気持ちを切り替えたのか、彼は倉庫を出ていった。
小鳥はしばらくそこから動けなかった。
本当にタイミング悪い。どうして、なかなかふたりきりになれない。ゆっくりできない。
やっと女として大好きなアナタが欲しいという気持ちがわかってきたのに。
だけれど、小鳥は思う。ピットに揃っていたスポーツカーたち。今の彼には龍星轟の男でいて欲しい。
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