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俺の指に、熱く脈打っている。男の吐息が熱く小鳥に降りかかる。彼の指が今夜は前よりも滑らかに蠢いている。その度に、小鳥の中が熱く灼けつく。
「だめ、翔兄……、お願い、」
彼のシャツを握りしめ、小鳥は彼の肩先に額を押さえつける。
うそ、痛くない。まだ痛みがあるけど、この前と全然違う。いや、おかしくなる。私、もうこのまま、着ているシャツもデニムも、ショーツも全部脱ぎ去って、素肌のまま彼に抱きつきたい。彼の肌の匂いにしがみつきたい。
そういう渇望がとろけきった眼差しに見て取れたのか、喘ぐ小鳥が堪らないとばかりに彼も黒い目を熱く揺らしている。
「翔兄、もっとキス、して」
望んだとおりに、小鳥の小さな唇を翔は強く吸ってくれる。
身体中、望んだ男に愛されるって――こういうこと。中も、愛されるって……。
「痛くないよ……、翔兄……、すごくいい」
彼の首にきつく抱きついて、小鳥は喘いでいた。子供のはずなのに……、こんなに、感じている、私。だんだん身体がほどけていく、甘く熱く。
「俺の部屋に行こう。ここは駄目だ」
「うん。行く、お兄ちゃんのところに行く」
今夜こそ、彼の女になれる。この前とは違う。身体が、いやらしいほどに彼を望んでいるのがわかる。指じゃない、彼ので貫いて欲しいって。
絡んだ腕と腕をなかなかほどくことができない。一度熱くなった身体と身体は離れがたい。小鳥だけじゃない、彼も駄目だと言いながら、小鳥の中から指を抜いてくれない。
お互いが深く深く抱き合うってこんなことなんだと――。彼と唇を深く愛しあいながら小鳥はその熱さに理性を奪われ、とろけていきそうだった。
「さあ、行こう」
「うん」
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