21.苺が好きな女の子は――

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 なのに。年月が経つほど、彼に追いついて成長しているはずなのに大人に近づいているのに、先へ先へ行ってしまう彼をうんと遠くに感じてばかりいた。 『小鳥と一緒にいたい』と、女として傍に置いてくれるようになっても。小鳥は『どうして。まだ大人になりきれない子供みたいな私を好きになってくれたの?』と実感が湧かなかった。けれど、今夜はもう……。  お兄ちゃんから愛してもらうんじゃない。私が、自分が、大人の女の気持ちで『愛してあげたい』と思えるようになって初めて『大人の女』なのかとも思った。  これでやっと、いつまでも可愛いだけの『上司のお嬢さん』ではなくなったと思えた。  それでも。本当に子供だったのに。彼はいったいいつから、小鳥のことを裸にして愛したい女になったのだろう?
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