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新居はリビングと他に二部屋。ベッドルームと、もう一つの部屋は『小鳥のために』と勉強部屋として与えてくれた。
いまはそこに簡単な机を置いて、クローゼットには少しずつ大好きな服が増えてきて、龍星轟の自宅に置いている愛用品が徐々にこちらに移ってきている。
なるべく帰るようにしているけれど、たまに不規則に泊まっていくようになった。
それまでにない生活をするようになった娘を見て、英児父が言った。
『お前、正々堂々と生きているって言えるか』
後ろめたい生き方をしていないか。安易に男に流されていないか。いま、おまえがやるべきことがなにかわかっているか。
部下と娘の恋仲を見抜いていて、父はわざと小鳥に投げかけてくる。そしてそれは信頼している部下であろうがなかろうが、娘が男を知ってどうなるか案ずる父親の気持ちなのだろう。
だから小鳥も迷わず答えた。
『後ろめたいコトなんてひとつもしていないよ。胸を張って父ちゃんに言えることしかしていないよ』
いつか、きっと、父ちゃんにも報告します。
彼を愛しています――と、報告します。
卒業するまで、だから、待っていて。
翔と決めていた。大学を卒業したら、結婚前提の同棲を許してもらおうと、決めていた。
※ここまでお疲れ様でした(*´˘`*)♡
あと2話の予定です!
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