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――小鳥。
ずっとずっと前から好きだった笑顔を見せてくれる。そしてついに、小鳥の肌に男の熱い手が触れる。
彼が探しているもの。彼が欲しいもの。そのなにもかもを解っていて、小鳥は覚悟を決める。
その時、ハジメテ。身体の奥でつきんとした狂おしい痛みを感じた。下腹の奥で熱く。何かが滲み出てくるような、切ない痛み。
岬の夜よりずっと強く感じた。これが女になるサインなんだと、小鳥は翔の肩先に頬を押しつけて、今度は自分から彼の背にしがみつく。
「おいで」
隣の椅子に座っていた翔が、小鳥の手を引いて立ち上がる。
その手を引かれて、連れて行かれたのは。あのベッドルーム。
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