33.ラスボス父ちゃん

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「あ、あの、翔……にぃ?」  いまでも彼が大人の顔で威圧すると思わず『おにいちゃん』と漏らしてしまう。 「なんで俺はこんな服を選んでしまったんだろう」 「え、どういうこと?」  するとカシュクールを合わせている大事なリボンを彼がしゅるしゅる解いてしまった。 「あ、翔! なにするの! せっかく着たのに!」 「だめだ。こんなに色っぽい身体に見える服はだめだ」  えー、なにいってんの? 自分が絶対似合うよって買ってきてくれた服じゃない! 確かにセクシーだけど、自分が大人っぽく見えてすごく素敵って気に入ったのに! と叫ぼうとする前に、彼がそのワンピースの合わせを開くとするすると肩から滑らせて脱がそうとしている。  柔らかい生地だから、あっという間に肩が丸出しになって、カシュクールの合わせが解けて両開き、白いレエスのキャミソールとエレガントな白いショーツだけの姿になってしまう。 「黒い女の中身は、清純な小鳥ってところかな」  白いキャミソールの下から大きな手が潜り込んできた。あっというまに乳房に辿り着いたので小鳥はやっと我に返る。 「わ、翔ったら。だめ! いまからでかけるんだよ」  手早い彼に負けないよう、小鳥も彼を押しのけて阻止しようとした。  でも次には彼が、白いキャミソールもランジェリーもめくりあげて露わになった乳房の先にキスをしている。 「ジャケットも白だ、白がいい」  なんて真面目に答えながらも、熱い男の唇が小鳥の白い乳房にちゅっとキスをする。『あん』、つい小さな吐息が漏れる。  女になったカノジョの濡れた声を聞いたからなのか、それだけで終わらず……。
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