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「小鳥、本当にいいんだな。この前より、俺……、欲しいまま荒っぽくなると思う」
「いいよ。私だってなにもかも知っているよ。身体が知らないだけ。もう子供じゃないんだから」
翔の黒目を見つめながら、小鳥はもう一度唇に軽くキスをする。
カノジョからなにもかもお許しがでた、あるいは、幼いカノジョの覚悟を受け止めたからなのか、翔兄の目の色が変わった。
抱きしめられて直ぐ、小鳥はすぐそこのベッドに押し倒された。でも優しく、彼が小鳥の背を抱いたまま柔らかに倒れてくれる。
男の匂いがするベッドで、小鳥は無抵抗に力無く寝そべった。今夜はなんでもお兄ちゃんにお任せする……、そう思って両手をあげてそのままくったり。
そんな女の身体の上に、翔が覆い被さる。待ちきれないように大きな手が、タンクトップとブラジャーをめくりあげた。
「ほんとうだ。残っていたな」
彼の指が、五日前に残されたキスの痕をなぞった。
彼の黒髪が降りてくる。その痕にまたキスをしてくれる。
「しょ、翔に、い……」
次には、胸の先に甘い痛みが走った。彼がそこに口づけて、きゅっと強く吸った。
うっ。はしたない声を突き出しそうになって、小鳥は手の甲で口元を押さえて堪えた。
ああ、なんか泣きたい。涙がでちゃう。なんだろう、そこを愛されるとなんで泣きたくなるのかな? その通りに、小鳥は泣くような声を堪えていたし、目頭が熱くなってとろけそうだった。
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