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男から好んで欲するところだとわかっていても、小鳥にはまだよく解らない。小鳥のそこを、本当に愛してくれるのかなんて、自信がない。
だけど翔は、真顔でそこを見つめていた。もう小鳥の顔でも、乳房でもなく。初めて目にするカノジョの秘密の場所。小鳥にとっても大事にとっておいた大事な場所。
でも小鳥はいま、嬉しさも感じていた。最初に見せるならこの人、最初に触れても良いのは、このお兄ちゃんがいい。そう決めていて、その通りに彼に届けることができたような嬉しさもじんわりと広がっていく。
彼の手がそっと、足を開いた。目線がまっすぐに黒い毛に向かっている。もう小鳥の胸は緊張で張り裂けそう。そっと目をつむった翔の唇が、小鳥の柔らかい足に落ちる。ちゅっちゅと可愛らしいキスをしてくれている。
シャワーも浴びていないのに。どうしよう。
お兄ちゃんは平気なの? それともここで言った方がいいの?
心配なことがいっぱいあるのに、それが言えずにいた。本当に後悔。花梨ちゃんに、どうすれば心配なんてしなくていいエッチができるか聞いてくればよかった――と。
なのに彼の指先の愛撫が、小鳥の奥へと進んでいく――。
そこを愛されるのもハジメテ、触られるのも――。
奇妙な気持ちと感触が、小鳥の中で綯い交ぜになる。
緊張していてわけがわからない、彼に任せっぱなしなのに、そこを愛されるとはこういうことなの? 熱くてとろける感触もある。息も熱くかんじる。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん。もう、だめだよ……」
「まだだ。俺が安心できない」
「安心て?」
「ちゃんとしておかないと、小鳥が困るだろ」
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