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やっとハジメテの愛撫から解放され、ひと息ついたのも束の間、今度は奥から痛みが走った。
「いっ」
『痛い!』と叫びそうになって、小鳥はその痛みごと飲み込んだ。男の長くて太い指が奥の奥で突き立てられていた。
初めて、自分の身体の中に入ってきた男の――。
だけど愛撫と同じように、甘美な熱さが僅かにあった。熱くて痛いけど、なにかでいっぱいに満たされる様な。灼けつく痛みが。
それだけで、小鳥の身体がぎゅっと熱くほてる。
そんな小鳥を翔はじっと怖い顔で眺めている。
「痛いだろ。これだけで。あともう少し――」
「もう、少しって」
もう少しって、これでまだだめなの? 小鳥のなかに不安が広がっていく。それを見抜いたかのように、今度の翔は小鳥に覆い被さって、優しく額の黒髪をかき上げてくれる。しかもそこにお兄さんらしい優しいキスをしてくれる。
「力、抜いて」
「うん」
彼の唇が、小鳥のまぶたに、鼻先に、耳元へと、あちこちキスをしてくれる。
淫靡で卑猥な愛撫の後に、夢のような優しいキスの雨。
だけどキスをしながら、先ほど小鳥の中に侵入し突き立てた指先はそのまま。じっくりそっと動かし始める。
やっぱり痛い。でも小鳥は、それを悟られないよう必死に隠した。なのに、耳元で翔兄が『小鳥、いい感じだ。俺の指も熱くて熔けそうだよ』なんて低い声で囁いてくれたり、優しい唇が甘くあちこちをくすぐる。彼の唇は優しい甘さを紡いでくれているのに、彼の指は獰猛に熱い痛みで掻き乱す。甘くて痛くて、とろけそうなのに、熱くて灼けつく。なにもかも綯い交ぜになった吐息が止まらない。
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