4.ハジメテの夜

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 もう一度と、翔は小鳥の頬をそっと撫でて腕の中に囲ってくれ、小鳥は熱い彼の背中に抱きついた。 「小鳥、力を抜いて楽にして」  彼の指先が、黒い毛の奥を割って入ってきて何度か行き来した。やっぱり痛い……。でもそこがもう熱くとろけて、とろとろと濡れている。彼の指先がとろとろに濡れたまま、小鳥の乳房を包んだから、もう充分に濡れそぼっていることはわかっている……。だから、きっと、大丈夫。  また熱い塊が小鳥のそこにあたる。男の熱い息が小鳥の耳元で響いた。 「そう、もっと力抜いて」  抜いているよ。でも、 「嫌だったらすぐやめる」 「嫌じゃないよ」  熱くて硬くて大きなものが、何かを引き裂こうとしている。  それがぎゅって押し込んでくる――。  我慢、我慢。この痛いの、今日だけ我慢したらきっと、きっと、きっと。  メキッとした痛み!  痛い、痛い、痛い!!! 「小鳥、大丈夫か」 「だっ大丈夫!」  腰が逃げている。でもそれをやめて、お兄ちゃんに抱きついて、もう一度、もう一度。彼も、こうなったらもう思いっきり行くぞ――と言わんばかりの必死な顔になっている。 「そのまま。そのままだ、小鳥」 「い、いやっ!」  ついに翔の腕から逃げてしまう。  その時、頭に『ガン』と殴られた様な衝撃が襲った。  頭がくらくらして、目を開けると、翔兄がベッドの上から小鳥を見下ろしている。  頭から、ベッドの下に小鳥は落ちていた。  嘘、嘘。なに、この……状況! 「……小鳥、だ、大丈夫か」  お兄ちゃんの、青ざめた顔――。  小鳥はそっと起きあがり、床に裸のままぺたんと座って茫然とした。  これが私の初エッチ? 嘘。ベッドから落ちただなんて……最悪!  涙が溢れてきた。
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