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英児父がこうして、小鳥や弟達を育ててくれたことがとても良くわかる姿だった。
お世話をしてくれたおじちゃんに心を許したのか、赤ちゃんもしっかりと英児父にしがみついていた。
「しかし困ったな。せめて朝までには戻ってきてくれないとな。おまえの母ちゃん」
本当にどこへ行ってしまったのだろう。衝動的に出て行ったなら、そろそろ冷静になっている頃なのでは――。実家でもない、友人宅でもない、二年以上音信不通だった元カレのところに来たのだから、逃げる場所はここが最後だったはず。
まさか。早まったことを思い付いていないといいけれど。小鳥は急に不安になってきた。
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