9.二人きりになれません

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『ほう』と父が釈然としない目で小鳥と翔を交互に見た。だが父の気持ちはすぐに違う方に飛んでいった。 「そうだ。エンゼル、あれひでえな。胸くそわりい! 明日の夜、俺が峠に行く!」  え、父ちゃんが峠に!? 小鳥と翔は揃って仰天した。 「たりめえだろ! 俺の娘のエンゼルをあんなにしやがって。許せねえ~!! 翔、おまえも手伝え」 「は、はい。勿論、です」  また父ちゃんのロケットが発射した。こうなると流石のお兄ちゃんも、ロケット乗務員として連れて行かれるだけ。それが龍星轟の日常。  一難去ってまた一難? なんだかぜーんぜんお兄ちゃんと二人きりになれない予感……。
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