10.痛いの、痛いの、とんでいけ

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「ねえ。エッチしたの? 私がいない間に、ううん、誕生日に、あの後、もしかしてそのままいっちゃった?」  躊躇いなく大胆に花梨から尋ねてきたので、さすがに小鳥もたじろいだが、ここ数日小鳥にとっては待ちに待っていた瞬間。 「花梨ちゃん。教えて。すっごく痛かったんでしょう。そのとき、どうしたの」  その問いに、花梨も気がついてくれた。『まだ終わっていない』のだと。そして小鳥も正直に話した。いざそのときになったら、痛くてできなかった――と。(ベッドから落ちたのはさすがに省略)  花梨がため息をついた。 「そっかー。痛かったんだ」 「うん。覚悟はしていたつもりだったんだけど。花梨ちゃんはどうだったの、痛かったんでしょう」 「うん、痛かったけれど。その時だけっていうか。もう忘れちゃった。それぐらい一時のことだよ」  そうか。やっぱり我慢が足りなかったのかな。小鳥は情けなくなってきてうつむいてしまう。 「あんまり脅かしたくはないんだけど――。本当に身体と身体の相性がよくないカップルも希にいるみたいだよ。どうしてもうまく合体できないんだって。合体できたとしてもどちらかが痛みを感じて苦痛を伴うと、どんなに気持ちがあっても、愛情も壊れちゃうケースに発展することがほとんどみたい。そのうちにセックスも空気になるなんていう人いるけど、やっぱり男と女が結ばれるなら、セックスは重要だよ」  それを聞いて、小鳥は不安になってくる。まさか、身体の相性がよくない方?
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