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――後のこと、頼んだよ。
女手ひとつで、光輝を大学まで行かせた。
夫と結婚前から貯めていたお金があったから、贅沢しなければ、最初の内は生活も苦じゃなかった。
光輝が小学校に上がる頃には、仕事を掛け持ちして、たくさん働いた。
それでも給料は少なかったけど、光輝に楽しい思いをさせてあげたくて頑張った。
中学に上がる頃には反抗期真っただ中で、憎まれ口も叩かれた。
だけど、一緒にいてあげられる時間が少ないからこそ、光輝の成長する姿がどんなことでも嬉しかった。
高校に入る頃、アルバイトをしたいと言い出した。
だけど、学生の本分は学業だから、意地でもアルバイトはさせなかった。
きっとお小遣いが少なくて不満も抱えさせたかもしれない。
でも、学業に励んでくれたおかげで、光輝はちゃんと行きたい大学に合格して、笑顔で家を出て行った。
大学卒業後は、いい会社に就職して、「親孝行だ」と初任給で旅行をプレゼントしてくれて。
今度の夏、生まれたばかりの孫と、優しいお嫁さんを連れて、家に帰って来る。
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