Episode1

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Episode1

窓から起きろと言わんばかりの眩しい陽が寝ている僕の顔を照らす 僕は目を開き、ぼやける視界の中、部屋の時計へと視線を送る 時計の針は朝の7時30を指していた しかし、僕は長かった春休みのせいか、体を起き上がらせる事を躊躇った 『もう少し....もう少しだけ....』 僕が再び目を閉じ、眠りにつこうとすると、 ぎしっ ぎしっ ぎしっ よく聞き慣れている階段を登る足音が近づいてくる そして、その足音は案の定、僕の部屋の前で止まった バンッ 『いつまで寝てるのっ!もうとっくにご飯できてるのよっ!今日は、大事な日でしょ?! 早く、準備して下に降りてらっしゃいっ!』 母さんは聞き慣れた声、言葉で僕に向かって一喝すると、下の階へと降りていった 僕は、重い身体をなんとか起き上がらせ、登校の準備をし、下の階へと降りていった 『おはよう、祓(はらえ)。 また、母さんに起こしてもらってたのか? ダメだぞそんなんじゃ。 祓も今日から高校生だろ? 自分でやれる事は、自分でやらないと。』 父さんは、叱り慣れていないせいか、どうも辿々しく僕を叱った 恐らく、この家の最高権力者である母さんに僕を叱るよう言われたのだろう ここで、僕が父さんに反発すれば、さらなる大厄災が起きる事は必然だ そんな面倒な事は御免だ だから、僕は 『分かったよ、父さん。 これからは、ちゃんと起きるよ。』 『そうかそうか、分かってくれたか!』 ちらっ 父さんは母さんへと視線を向けた にこっ 母さんは満足したのか、父さんへと笑みを浮かべた 僕はそんな2人を見て、大厄災を無事に回避できた事を確認した 『って、もうこんな時間っ?! ごちそうさまっ!』 僕は時計の針が8時を指している事に気がつくと、席を立った 『いってらっしゃい、ちゃんと入学してくるのよ。』 『もうとっくに入学はしてるだろ? それよりも、早く行かないとっ! じゃあ、行ってきますっ』 『いってらっしゃい!』 僕は、急いで家を出た すると、 『おっせぇぞ、祓っ!』 玄関を出ると見慣れた顔が僕を待っていた 『ごめんよ、衛(まもる)。 ちょっと、いろいろあってさ....』 『どうせ、いつもの大厄災だろ? そんなの、お前次第でなんとかなるだろ?』 衛は僕と幼稚園の頃から一緒のいわゆる幼なじみというものだ 『それは、そうなんだけど....。 って、それよりも早く行かないと遅刻しちゃうぞっ!?』 『おっと、そうだったな! じゃあ、行こうぜっ!』 『うん!』 僕は衛と共に学校へと向かった 道中には、春の綺麗な桜が花を開いていた もやっ 『(ん?何だ今の?)』 綺麗に咲いている桜の木の下に一瞬何か黒いもやの様な物が見えた気がした 『ん?どうした?』 僕の様子を心配してか、衛が声をかける 『ううん、何でもない。 多分、春休みの間寝てばっかだったから、寝ぼけてたんだと思う。』 『ったく、しょうがねぇ奴だな。 何でもないなら、早く学校行くぞ!』 衛はいきなり走り出した 『えっ、ちょっ、待ってよ!』 僕は慌てて衛の後を追った でも、あれは何だったんだろう.... 桜の木の下に見えた黒いもや.... あの形はどう見ても....          次回         Episode2
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