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おばあちゃんは何も変わらなかった。食べる量は少なくなっているけれど、相変わらず肉が好きだし、甘い物も好きだ。
お母さんの話では、おばあちゃんの年齢的に手術はしない方がいいのではないかと病院で言われたらしい。体力がもたない可能性が高いからって。
おばあちゃんは、それでも毎日シルバーカーを押して散歩に行く。お母さんは散歩について行くと言ったけれど、おばあちゃんに告知しないならば、これまでどおりにした方がいいのではないかというのがお父さんの意見だった。
手術ができないのならば本人に告知するのはやめようと、あの日、みんなで決めたことだったから。
*
麻美おばちゃんがいきなり家にやって来たのは、おばあちゃんの癌宣告の一週間ほどあと。私は風邪で学校を休んでいた。
「麻美ちゃん、どうしたん?」
玄関で迎えたらしいお母さんの声が聞こえて、すぐに
「博美姉ちゃん、どないしよ!」
という麻美おばちゃんの声が聞こえた。
私の部屋まで聞こえた大きな声は、隣の部屋のおばあちゃんにも聞こえていたようだ。
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