でたらめ先生のうそつき授業

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昔は今と違って、物事が期待通りに運ばないことが多かったのさ。他にも、缶ジュースは100円だったんだけど、自動販売機にはこれっぽっちも働く気がなくて、500円入れてもジュースが出てこないことがよくあった。 そんなときには、ちょっとくすぐってやるのさ。自動販売機は脇の下が弱いから、そこをコチョコチョしてやると、運が良ければ10本ぐらいジュースを吐き出した。 おや、これも嘘だと思っているね。でも昔の自動販売機には、ちゃんと脇の下があったんだよ。今のにはないけどね。そういうように、今はなくなってしまったものが、昔は色々とあった。その中に、子どもを食べる恐竜がいた。 生徒E「今はもういないの?」 先生「また入ってくる」 生徒E「だって気になるもん」 先生「恐竜が絶滅したこと、教えてやっただろう」 生徒E「それって大昔の話でしょ。今の話だと先生が子どもの頃に恐竜がいたことになっちゃうよ」 先生「その恐竜はいたんだ」 生徒E「その恐竜だけ?」 先生「そうだよ」 生徒E「ネッシーは?」 先生「あれは嘘だ」 生徒F「その恐竜だけ大昔から生き残っていたの?」 先生「まあ、ちゃんと聞きなさい。話はまだ途中なんだから」 生徒F「はーい」 先生「その恐竜だけ大昔からずっと生き残っていた」 生徒G「ねえ先生」 先生「話の腰を折らないと今言ったばかりじゃないか」 生徒G「そういう風には言ってないよ」 先生「その通りに言っていなくても、そういう意味で言っていたらそういうことなんだ」 生徒G「ふうん、わかったよ。でも、その恐竜ってなんて名前なの?」 先生「そこは話の本筋とは関係ない。脱線しないでくれたまえ」 生徒G「でも気になるよ。すごく長生きの恐竜なんでしょ」 先生「わからないものはエックスとおいておけばいいんだ。教えただろう」 生徒G「じゃあ、エックスザウルスだね」 先生「そうだ、エックスザウルスだ。話が終わるまでもう二度と割り込まないこと。いいね」 生徒G「はーい」
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