でたらめ先生のうそつき授業

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この作戦の効果はてきめんだった。タイ式マッサージの達人が行列をなしてやってくるのを見たエックスザウルスは、お腹をさすられるのを想像しただけで、くすぐったくてたまらなくなってしまったんだ。 それでまだマッサージを受けていないというのに、お腹をくねくねさせて身をよじらせた。その結果、長いこと止まっていたお通じがとうとうやってきたんだ。 エックスザウルスはそれまでに7億8624万5903人の赤ちゃんを飲んでいたんだけど、これが一人ずつ順番に出てきた。困ったのは中国政府だ。だってエックスザウルスのお尻はそのときちょうど中国国内にあったから。出てきた赤ちゃんはみんな中国国籍を持つことになる。 でも中国にはそのときすでに10億人以上の人が住んでいた。その上に8億人近く増えるとなると、さすがの中国四千年以上の知恵を持ってしても、食糧不足は避けられない。でもその心配はなかった。なぜって、忘れてないよね?エックスザウルスに飲み込まれた子どもは、みんなちょっとずつ良くなって出てきたんだったよね。 赤ちゃんたちは、ちょっとずつ賢くなっていた。三人寄れば文殊の知恵と言うけれど、ちょっとずつ賢い赤ちゃんが7億8624万5903人も集まると、それはそれは賢い答えが見つかる。 赤ちゃんたちは力を合わせて、エックスザウルスを宇宙船に改造した。そうして7億8624万5903人がその中に乗り込み、木星目指して飛んでいったんだ。 かくして地球の危機は救われた。ベビーブームも終焉を迎え、赤ちゃんもそんなに生まれなくなった。ただ残念なことに、地球上から恐竜がいなくなってしまったけどね。 先生「はい、これで話はおしまい。わかったかい?だから先生は子どもを好きにならない。子どもが好きな人が増えると、またベビーブームがきてしまうからね。でも地球にはエックスザウルスはもういない」 そのとき授業終了のチャイムが鳴った。やれやれ、くだらない話で終わってしまったな。だからこのクラスは落ちこぼればかりなんだ。 生徒A「ねえ先生。エックスザウルスはそのあとどうなったの?」 先生「聞いてなかったのかい?木星に行ったんだよ」 生徒A「木星に行った後だよ」 先生「太陽の周りを12年かけて回っている」 生徒B「どうして赤ちゃんは恐竜を宇宙船に改造できたのかな」 先生「賢くなったって言っただろう」 生徒C「今のは本当の話じゃないんでしょ」 先生「本当の話だ」 生徒C「でも教科書には書いてないよ」 先生「君は教科書を読まないじゃないか」 生徒C「うん。だって教科書には正しいことしか書いてないけど、先生の話は面白いんだもん」
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