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奇獣が吠え、姉貴が喰われる。 「逃げて」 それだけ言い残し、飲み込まれる。 体が熱い。何かが爆発してしまう。 俺は叫ぶ。きっと今、俺は泣いている。 ドクン 俺「…………」 ここは何処だ?ベッド…?  ピッピッピッ…と響く電子音。 腕に繋がれたチューブ。 そして大袈裟とも思える程の… 恐らく何かの治療に使うのであろう機械。 ウィーーン…といい恐らく扉が開く。 そちらを見ようとしても固定されて 動けない。 異様に静かな部屋だ。 どことなく怖くなる。 ヒョイ、と突然チサキが顔を出し、 覗き込む。 ………………… 何この時間緊張するんだが。 チサキ「はぁ…体調に異常は無い?」 俺「…お、おう…」 カタカタとキーボードを叩く音が聞こえる。 チサキ「で?」 俺「え?」 チサキ「…………はいこれ」 俺「?」 紙を渡される。 沢山の訳が分からん数値。 そしてグラフ。 俺「ナニコレ?」 チサキ「最後の欄見てみなさい」 [検出失敗] の文字。 チサキ「あなたのあの姿は、 能力ではなかったわ」 仕事が早い……いや、感心してちゃ 駄目だ、能力…じゃあ何なんだ…?
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