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きっかけ
薄汚れた路地裏で一人、俺は地面に座り込む。
正確に言えば恐怖の余り腰を抜かしたに近いんだが状況的に誰でもそうなると思う。
『あーいや、ははは…』
乾いた笑い声を漏らす俺は頭の片隅で今日の自分の星座占いは何位だっただろうかと現実逃避した。
が、それも半ば強制的に現実へと引き戻された。
なんとまあ悲劇だろう、俺の運命は男で絶対的王者のαですんげー狂った男だった。
「酷いなぁ…僕という者がありながらなんで他の子なんて見てるのかな?結月」
めちゃくちゃイケメン高身長のスラッとしたモデルかって位のそら見た目は良い男で…うん。
目はイッてるしとにかくヤバい。
でもとりあえず…
『どちらさんですか?』
あ、これ禁句だったかもしれない。
男の目が殺気に満ち溢れてしまった。
どうやら俺は今日が命日です…
爺ちゃん婆ちゃん今までクソチャラい節操なしの孫でごめん…
俺は今から死にます。
ギュッと目を瞑りポケットに手を突っ込んだ男の持っている多分物騒な物の衝撃に耐える。
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