本の森のドーナツ畑

　私はワクワクしてお店の中に入っていたんだけど、そんな私の後を、サキはさほど感動することもなく、とぼとぼと付いてきた。

ガラス窓を越えると、高い天井が解放感を生んでいて、外側からみていた本棚は、カウンターを挟んで左側に続いているのがわかった。

私たちを本の香りととに、淹れたてのコーヒーの香りが出迎えてくれたんだけど、この空間は、本とコーヒー好きにはたまらない。
ステキすぎる！

でも、ステキなのはそれだけじゃない。
カウンターの右側には、色とりどりのドーナツがお花畑のように並んでいた。

それは四段のドーナツ棚と、その側の中央の大きなテーブルに陳列されているんだけど、
そのどれもがスペースを考えて重ねて並べているのではなく、ひとつのトレイには、だいたい９個のドーナツが丁寧に１つずつ並べられている。
それが規則正しくも、色とりどりのドーナツの花畑を演出していた。

・・！！
これはヤバイですよ！！