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「僕とニアは同じ主人に仕えていたけど、ニアがこうなって追い出されたんだ。困っていたところをループレヒトに拾われた。おじいさんだから雪かきが大変なんだって」
ミオは、ニアに似せて作った火炎の猫を操り、敷地だけでなく村中に放って雪を溶かしている。
貴族と違って、町民は感謝してくれるから好きとミオは言う。
「わたくし、ルビエ公国で魔法使いの扱いがそんなに酷いとは知りませんでした。わたくしの国では魔法が禁じられていますので、魔法使いはいないのですわ」
「タスティリヤだよね。平和で温かくていい国だってループレヒトが言っていた。僕もそういう国に生まれたかったな……」
虐げられて生きてきた魔法使いには、魔法のない国の方が素晴らしく思えるようだ。
それなら、とマリアは思いついた。
「本気でタスティリヤに来たいのなら、ジステッド公爵家がお力になりますわ。その代わり、わたくしに魔法を解く方法を教えていただけませんか?」
「解きたい魔法があるの?」
ミオがけげんそうに聞き返すと、ニアも顔を上げた。
二人に見つめられながらマリアはもの憂げにうなずく。
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