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父と娘の会話劇
「あーお祭り良かったね~」
「そうだな~」
「花火綺麗だったし、お店楽しかったし」
「食ってばっかだった気もするけどな~」
「それは父も一緒だろ?」
「いや違うな、俺はそれにプラスして酒も飲んでたから」
「ならなおさら悪いじゃないか!」
「あぁなおさらだな~」
「なんだこの会話…」
「いつものことだろ?」
「いつもこんな感じだったか?」
「いつもこんな感じだったよ、それでこれから先も、ずっとこんな感じなんだろ?」
「なんかそれはちょっとイヤだな…」
「なんでだよ!」
「来年は彼氏と来たいかな~」
「彼氏いるのか?」
「いないよ」
「なんやねん」
「急な大阪弁だな」
「たこ焼き食べ過ぎたからかな」
「ついでにお好み焼きも食べてたからね」
「よし、それならこのまま串カツ食べに行こうかな」
「なぁ父よ、こんな時間に店が開いてるわけがないだろ、もう夜の10時だぞ」
「それなら作ればよくね?」
「そこまでするのか!?」
「やれるならばどこまでも!」
「ある意味恐すぎるわ…」
「恐怖!!」
「それは私のセリフだよ!!」
「…」
「…」
「「…ッハハハ」」
「本当に…なんだかな~だよね、私達の会話って…」
「本当だな~意味があるんだか無いんだか…」
「いや、きっと意味はそこまでないぞ」
「ズバッと言ったな、我が娘よ」
「当たり前だろ、私達の会話に意味なんてモノはきっとないよ。だって只の、父と娘の会話なんだから。そうでしょ、お父さん?」
「あぁ、そうだな…」
「…お父さん?」
「よし、じゃあとっとと帰って飲み直すか!!」
「えーまだ飲むの!?」
「飲むに決まってるだろ!迎え酒だよ!!ほら、帰るぞ真空~」
「もう…飲み過ぎたらダメだからね~」
終
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