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浜名がホワイトボードに、5月10日セオドア芸能事務所お披露目会、と書いた。
「今後の予定を説明します。ホワイトボードに書いたように、みんなが所属するセオドア芸能事務所で来週お披露目会を行います」
浜名も所属するセオドア芸能事務所は、有力なアイドルグループやバンドグループだけじゃなくて作詞家や作曲家など音楽関係者が多数所属する業界大手の芸能事務所だ。
芸能スクールも経営していて、その芸能スクールに通っていた生徒もこのオーディションを受けていたらしい。
オーディション前に合格したら所属できることは知らされていたので、いよいよ芸能界に足を踏み入れると聖楽たちは気を引き締める。
「メモをさせてください」
「どうぞ」
真菜加はカバンからメモ帳とボールペンを取り出しボールペンを使いメモ帳に書いていく。
その様子を見て、明梨たちもカバンからメモ帳とボールペンを取り出しボールペンを使いメモ帳に書いたり、スマホにメモをしはじめる。
「みんなにはアイドルとして、アイドルグループの名前を考えてほしいの。囲み取材をするから記者さんの質問に答えられるように、みんなと一緒に練習もしたい」
観たことがあるような芸能人がマイクを持っていたり、大手のテレビや新聞の人たちがボイスレコーダーを使って芸能人に取材している様子が脳内に浮かんだ。
あのような感じで、ぐるっと囲まれて複数の人から質問が飛んでくるんだろうか?
スマホでメモをしていた夢芽が言う。
「アイドルグループの名前って、運営側が考えることじゃないんですか?」
「運営側のコンセプトは自主性。出来るだけみんなの意見を尊重したいの。運営側だけで決めるんじゃなくて、みんなにも決める権利があると思うから」
オーディションを受かることだけで頭がいっぱいだった明梨にとって、どんなアイドルグループの名前なんて一度も考えたことなんてなかった。
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