結成

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衣装に着替えメイクをさせていただき、そして宣材写真撮影がスタートした。 後ろには白い壁紙があり前にはプロのカメラマンがいて、周囲には撮影で使うパソコンが置いてある。 日常生活では体験しないような光景に、ことはたちは気を張り詰めた。 誰が最初にやるかとか順番はどうするかメンバーで話し合いをした結果、トップバッターは手本の意味も含めてモデルを経験していた凪紗になった。 真菜加→鈴→夢芽→明梨の順番に撮っていき、千輝とことはと聖楽が残されていた。 璃子は恥ずかしげもなくカメラのシャッターがきられるたびに、ファインディングのような空手の技のようなポージングを決めていく。 「いいねいいね、璃子ちゃんカッコいいよ」 同じ時間の撮影でも自分で動けるかどうかで撮影枚数は大きく変わる。 カメラマンに指示を貰わなくてもある程度動ければ、自分の好きな感じの写真をたくさん撮ってもらえる。 凪紗たちのように動くことは千輝たちにはまだ難しいので、自分の好きな感じに撮ってもらえなければ撮ってもらえる写真も少ない気がする。 もともとポージングがピースとダブルピースの2種類しかない。 「璃子ちゃんお疲れ様、終わりだよ」 「ありがとうございました」 璃子がカメラマンに一礼すると、撮影の邪魔にならない場所に移動した。 「次誰行くの?」 米川に声をかけられた千輝たちは困ったように目配せをする。 「どうしよう。自信ないよ」 「みんなのようにできる気がしないけど、やらなきゃ」 困った顔のまま千輝とことはが視線を彷徨わせる中で、緊張しながらも決意した様子で聖楽が言う。 「私、次やります」 「じゃあこっちに来て」 スタッフに指示されるまま、白い壁紙とカメラの間に立つ。 「じゃあポーズしてみようか、せーのっ」 写真を数枚撮ってもらったけど、予想通りカメラに向かってピースしかできなかった。 「違うポーズもできるかな?」 違うポーズって言われても何も思いつかない。 「聖楽ちゃん思い出して」 そう声をかけてくれたのは、カメラの前でたくさんのポージングを決めてた凪紗だった。 凪紗は何をやっていたか、聖楽は思い出してみることにした。 凪紗は特に手を使っていたように思う、手や指の動き1つでポージングの印象が変わっていた気がする。 曲線が目立つようにおしとやかで優しいイメージになるように、指を曲げて顔の近くに置いた。 「おっいいね、そんな感じでやってみようか」 「はい」 カメラマンも認めてくれるので、聖楽は落ち着いて撮影を終えることができた。 ことはと千輝も凪紗たちのポージングを真似ることで、なんとか宣材写真を撮り終えることができた。
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