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アイスが今日は65円だった。4つ買った。
溶けないうちに帰りたかったから他はなにも買わないでスーパーをでた。
起きたかな、まだ寝てるかな。バニラばっかりにしないで、チョコやいちごも混ぜたら良かったかな。
起きたかな、まだ寝てるかな。それとも、
…もういないかな。
なんかドキドキする。
2階に駆け上がってた。
居た。
ちゃんと居た。
ドキドキが気恥ずかしい。
きっとごはんたべてないから、血が減ってるから酸素が足らない、そのせいだよ。
寝てる頭を撫でた。もさもさが手に嬉しい。
撫でて撫でて撫でてたら、目が開いた。
「アイス買ってきたよ。」
食べるかな…食べるよな。
スプーンを運ぶとちゃんと口を開ける。じっとアイスを見てる。また運んだらすぐ口を開ける。
食べてる。
このこにはごはんが要る。
まだお米はあったから、無くなるまで炊こう。
レモングラスを摘んで渡した。手にとって匂いを嗅いでる。
私はずっと頭を撫でてた。
それからは
ずっとそんなことばかり。
起きたり、寝たり。
思い付いたら掃除したり、お風呂をしてやったり。
ごはんが炊けたらおにぎりにした。ひとつ渡したら長いこと持ってる。つまんで口にいれてやっても、噛んでるのかどうか。
それでも少しずつ少しずつ無くなっていくから食べてるんだろう。
よしよし、よしよし。
結局私は髪を撫でた。
ただずっと撫でた。
実は少し前にも生きるのを止めるために食べるを辞めようと思った。
でも上手くいかなかった。
動かなかったがよくなかったのかもしれない。
妙に重くなって結局ダメだった。ヒトは重いに弱いのだろう。
それが今度は少しも重くない。ココロは寧ろ軽い。
だから今度はやりきれそうだ。
よしよし、よしよし。
撫でてる。
この子はずっとレモングラスを嗅いでいて、私はずっとこの子を撫でてる。
この子の体には哀しい痕がたくさんある。
刻まれたのか、刻んだのか。
この子のココロはとてもとてもひどい怪我をしたのだろう。
その怪我は治ったのか、まだ治ってないのか。ココロの怪我は治ることはない、と言う人がいた。だから怪我をしたならしたまんま。それが穴なら開いたまま。血が出たのならだらだらと、じくじくするならしたままで、折れたのならば折れたまま、と。
それでもココロの傷だからひとにもじぶんにも見えないままで、命はまだまだ続いてて、だからなかなかしんどいの、て。
よしよし、よしよし。
うらんじゃだめ。のろったらだめ。じぶんがつらくなるだけだから。
よしよし、よしよし。
あなたはすこしもわるくない。ぜんぜんなにもわるくなかった。せめることはなんにもないの。
よしよし、よしよし。
いきなり襲ってきて、ズタズタしたい放題で、知らぬ間にいってしまって二度と戻らない。それが過去。
よしよし、よしよし。
この子はずっとレモングラスを嗅いでいて、私はずっとこの子を撫でてる。
撫でてると落ち着く、のは
たぶん私。
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