はなひらく

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すると男の子が口を開いた。 「花だよ。」 少しかすれた小さい声だったけどちゃんと聞こえた。 花? うなずいてる。レモングラスの鉢を指してる。 みると細いもしゃもしゃした茎の傍らに、一粒だけの上を向いた藤みたいなのがある。白の仄かな紫の。 ほんとだ。 これは 花。 思い付いたと同時に声に出てた。 「ねぇ、私と一緒に暮らそうよ?」 すると男の子はぴょこんと起き上がり、ベットから降りた。さあ、行こうよ、て感じで。 あれ。 このこ少し背が伸びてる。 この子は時を動かし始めた。 様子を見てた医者たちが目を真ん丸にしながら、でも頷いてる。 レモングラスを片手に、もう一方の手で男の子の手を握って、嬉しくて笑った。 そしたら、 彼も笑ったんだ。 ほら。 はながひらく
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