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あり得ない返品商品
今回は納品された商品が、とんでもない欠陥があったというお話をしたいと思います。
何度かご来店いただいているお客様が、シーズン物のズボンを探していました。
当店には何年も前からご来店いただいていたようなのですが、私の出勤時間とは重なることは無く、私からしたら初めてのお客様でした。
「試着させて下さい」
「どうぞ試着室お使い下さい」
このお客様はちゃんと声を掛けてくれるお客様で、商品をいじってもキッチリ復元して帰る方です。素晴らしい。
しばらくすると試着室で呼ばれました。
「あのぉ。この裾、何か変じゃないですか?」
言われた裾を覗き込んでみると
クサッ!! お前もクサいタイプかい。
足が臭います。しかも脳細胞が破壊されるレベルです。思わず息が止まります。
「どこが変ですか?」
「なんか左右のふくらはぎが違うんです」
良く見てみると右足だけピチピチしてます。
「そうですね、左右違いますね」
「僕の足がおかしいのなかぁ」
確かに臭いはおかしいです。
「違うズボン持ってきますね」
同じ物に履き替えてもらいました。
「今度は大丈夫です。じゃぁ裾上げをお願いします」
「わかりました」
よくよく調べてみるとそのズボンは、左右のサイズが全く別物でした。
この商品はいくつかのパ一ツで組み上げられています。今回の商品は基本三Lサイズなのですが、なぜか右足だけMサイズでした。不思議な事に縫い目もキッチリ合わせてあって、見た感じだけでは他の製品と何ら変わりは無いです。
隠蔽やん。
そんな商品を出荷してしまう業者もどうかと思います。勿論返品です。
他に同じ商品があったので事なきを得ました。もしあの時、替えの商品が無かったらと考えると苦痛でなりません。
欲しいものが欠陥商品で、しかも在庫無しと分かったら短気のお客様だったら地獄です。なので今回のお客様には助けられたと思っています。
人間が作る物なので、完璧な物は無いと思います。ですが製造の数をこなす上で、継ぎ接ぎをして仕上げるなんてあり得ない。あの縫い目にも故意を感じます。なので今回のようなケースは隠蔽としか思えません。店も客も舐められてるなと思いました。
その一件が終わると、他の従業員からこんな言葉を聞きました。
「あのお客様さん、臭いんだよね」
それを知ってて私に行かせたんだな!
ズルすぎやん。
本日もご来店誠にありがとうございます。
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