今日の客は明日のクレーマー

フライング

　この所、特殊なお客様が多く取り寄せや刺繍の手続きが毎日止まないです。まぁそんな時もあります。忙しいなんて有り難いかぎりです。
　そしてこのところ特に多いのが、インターネットで在庫確認をしてからご来店されるお客様です。ネットは購入するまでに時間が掛かるのと、意外と品切れが多いんです。なので直接店に来て実物を見たいとご来店されます。

｢すみません、有るはずの靴が無いんですけど｣
｢は？｣
　ネットで在庫確認してから店に来てくれたお客様でした。
｢すみません、データ上の物なので誤差は出てしまいます｣
｢そうなんですね、じゃぁ無いって事ですね｣
｢ごめんなさい｣
　商品の差し替えだったり万引きされたり、後日返品交換した物は反映されません。色々事情はあるので誤差は出ます。
　万引きされ商品もデータ化されたら便利なんですけどね。そしたらモニターで追いかけます。

｢すみません、あの、テレビで見たんですけど派手なパーカーありますか？｣
｢ごめんなさい、完売です｣
　昭和の風呂敷みたいな柄のパーカーがあったのですが、割引をしたら一瞬で売れました。そうは言ってもテレビでやってた商品ですからね。

　それから一時間後
｢さっきの派手なパーカーがそちらの店にあるんですけど！｣
｢は？｣
　ネットの在庫確認をしたようです。
｢すみません、完売してますが｣
｢でもあるって書いてありますよ！｣

　あやふやなネット情報よりも、店員の目を信じろや！

　そんな言い方をされてしまうと、もしあったとしても譲りたくないと思ってしまうのが店員の嵯峨です。

　ワシそんなに意地悪じゃないよん。

　どこの店も基本台帳は一緒ですが、店舗によって置いてある商品も違ってきます。
｢あの、探していた手袋はあったんですけど、他の店には無かったんです。もう置かなくなっちゃったんですかね｣

　よその店のことはわかりません。

　不思議な質問でした。多分、同じ系列の店のことを言っているんだと思ったのですが、全く違う店の事だったのかな。

　本日もご来店誠にありがとうございます。