第5章/終演

1/1
前へ
/18ページ
次へ

第5章/終演

5人の完遂 りりかは我を忘れて悶絶していた。 それをおもむろに見据えて、オレはタカコへ優しい口調でこう命じた 「タカコちゃん、君も興奮してきたなら、自分でパンティーの上から触ってみなさい」 オレがそう声をかけると、後部座席を振り返ったままの彼女は、むんずと頷いていた。 そして即、右手をスカートの中に潜り込ませるのだった。 およそ、1分後…、花タクシー内の運転手を除く男女4人はほぼ同時に昇天した。 りりかとキヨエは、その快感に激しく全身をくねられせていたが、タカコは最後まで地味目に体がひくつかせるだけだった。 だが、その恍惚の表情は、どこかエロかった…。 こうして…、なにはともあれ、3人の添乗レディーと客であるオレは無事、達することができた。 まあ、所詮、夜の風変わりなし市井を生きる大人の戯れ風景だ。 ではあるが…、たいそうなものではなことを百も承知で、運転手のヒデ君を含め、車内の5人は何とも言えない充実感を共有していたと思う。 それは、接待側も客もなくで…。 *** 「りりかさん、自販機ありますね」 「そう…。じゃあ、止めてちょうだい」 自宅までもう、わずかという交差点脇で車は停車した。 「タカコちゃん、奥山さんに何か冷たい飲み物をね…。小銭は助手席の足元にあるバッグから出していいから」 「はい…」 すでに概ね服を纏って、”元のポジショ”に戻っていたいたりりかへ、タカコからは実に”いい返事”が返ってきた。 ”ビフォワーアフター”…。 何故か一瞬、頭の中にそんフレーズがタカコを見て浮かんできてね…。 *** 「じゃあ、オレが選んでいいですか?」 りりかに顔を向けてそう”提案”すると、彼女はしっかり察してくれたようで、ニコッと笑って、「じゃあ今、降りますね」とね…。 「奥山さん、どれがいいですか?」 「うん、炭酸が飲みたいかな」 「コーラでいいですか?」 「ええ、お願いします」 彼女は自販機から取り出したコーラをオレに渡した後、何か言いたそうな顔つきで、「あのう…」と言ってきた。 オレは彼女の意を汲めたので、その場から助手席に戻っていたりりかに声をかけたんだ。 「ああ、りりかさん…、すぐ戻りますから、外で飲んでいいですか?」 「ええ、どうぞ」 彼女はまたもにっこりだった。 *** オレがタカコの方を向いたままコーラを口に運んでいると、地味な笑顔を浮かべたタカコが話し出してきてね…。 「…奥山さん、今日はすみませんでした。…私、慣れてなくて…」 「いいえ。こちらこそ、いろいろ出過ぎた態度を取ってしまった」 「そんな…」 「出過ぎついでに言わせてもらうかな。タカコさん…、あまり無理はしない方がいいと思う…」 彼女はすぐにピンときたようだったよ。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加