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珠玉の展開
「タカコちゃん!どうしたの?あなたも奧山さんの隣にいるんだから、触ってあげなきゃダメよ」
案の定、助手席からこちらを伺っていたりりかが、タカコにハッパをかけた。
「ええ‥」
彼女が明らかに戸惑っていたのは、ひしひしと伝わってきた。
”まあ、このヒトには場違いだよ、所詮この空間は…(苦笑)。当然、”この先”に躊躇を禁じ得ないんだろう…”
この時のオレは既にタカコを見切っていた。
***
で…、オレは敢えて、タカコを無視していたんだ。
この、今一掴みどころのない花タクシーとやらの展開を、生存競争の激しい水商売の世界で身を立ててきたであろう、このりりかというやり手の女が、客から3万を受け取ってどう仕切るか…。
”りりかを試してやる…”
そんな気持ちだったな。
タカコはオレの左足の太もも辺りを”さすって”いたよ。
それはとても男を”触る”…、ではなかったな(苦笑)。
すると‥。
***
「なにやってんのよ、タカコちゃん。キヨエみたいにもっとちゃんとお触りしなさいって!」
こういった場面において、りりかのような女性は厳しい。
オレは心の中で、”さすがだな”と、ある意味敬意を表したよ。
「奧山さん、キヨエばかりに夢中になってないで、タカ子ちゃんも触ってやってよ~」
りりかはそう出てきたか…。
ならば…。
オレはここで方向転換を計った。
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