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「まぁまぁ、そんな難しい話じゃねぇよ。
告白して、振られて、そしてすぐ戻ってくりゃいいんだからよ」
雅人のやつ、他人事だと思って簡単に言いやがる·····!
しかも振られる前提だと?
精神的ダメージが大きいのは俺の方なんだぞ。
「それにさぁ、もう俺の方で決めちゃってんだよねぇ〜。告白相手をさ」
「は?」
なんだと?
告白相手を決めてあるだと?
こいつ、もしや・・・
「お、お前、最初から俺に罰ゲームさせようとしてたんじゃ·····」
どう考えてもこれは、計画的犯行である。
もしかしたら、隣で澄まし顔を決め込む雅人も共犯だった可能性も。
「そんなことないって〜
それよりもほら、もう相手を呼び出しちゃってるからさ、早く行こうよ」
どんだけ用意周到なのだ、こいつは。
きっと、俺がテストでビリになるのを知っていたのだろう。
だから俺が罰ゲームの話をもちかけた時、やけに乗り気だったのだ。
「さてさて〜まずは場所を移動してもらわないとねぇ。約束の時間まで5分もないよ〜?」
「は!?待てよ、俺はまだやるなんて·····」
「四の五の言わずにたったと行くぞ」
俺は二人に両腕を取られ、半ば引きずられるか形で教室を出た。
···············
そんなこんなで、今に至るわけである。
この空き教室にいるのが、あの相澤 蓮司と分かった時は、何かの間違いだと思った。
そしてソイツが、告白相手(仮)であると知った時は·····本気であの二人に殺意をおぼえた。
しかし響也いわく、「普段爽やかイケメンなアイツが、学年内の問題児·····しかも男に告白されたら、どんな反応をするのかが見たい」のだそう。
ま、まぁ、その気持ちは分からなくもない。
次期生徒会会長候補として名前が挙がり、生徒からも先生からも信頼の熱い相澤。
俺たちの宿敵であるコイツがどんな顔をするか·····気になるではないか。
そう考えると、この罰ゲームもそんなに悪くないかも??
それに、どうせすぐにネタバレするのだ。
その時思いっきりバカにしてやればいい。
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