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「そ、それより、リーダーはどこです?
一応来ることは伝えてますけど·····」
「あー、友くんね。彼なら奥の部屋にいるよ?
·····むしろ、そこが君たちBLACK CATの本拠地じゃない?」
「·····まぁ、そうっすね」
ここは、俺たちのような学生には縁のない、酒を取り扱ったBARである。
BLACK CATは、その「purple」という店の奥に存在する、元は何かの物置として使われていた所を拠点としている。
しかしナオトさんは、BLACK CATのメンバーではない。
あくまでも場所を提供しているだけに過ぎないのだ。
·····そもそも、BARの中に拠点があるなんて俺たちのチームくらいじゃないだろうか·····
「言っとくけど、今日は営業日だからね。18時までには帰ってよ?本来は未成年が入るところじゃないんだから」
「了解っす」
「わっかりました〜」
「·····ありがとうございます」
BLACK CATの活動日程は、リーダーが自分の気分で決めている。
しかしあの人もかなり気分屋なところがあるため、当日に活動の有無が伝えられるのもしばしば。
そんなマイペースなリーダーではあるが、俺たちのリーダーに対する気持ちは変わらない。
俺たちはリーダーを、心から尊敬しているのだから。
「今日は集まりとかないのに、会ってくれるんだぜ。リーダーには感謝しないとな」
「そうだな··········」
店の奥へ行くと、お客さん専用のトイレへと続く通路がある。
そこをさらに奥へ進んでいくと、関係者以外立ち入り禁止という札が掛けられたドアが見えてくる。
厳重なオートロック式。
毎回毎回ナオトさんが暗証番号を変えているため、俺達も当日にその番号を知らされる。
「えー、今日は確か、1129だったか」
教えられて番号を入力し、決定ボタンをおすと、カチャリとロックが解除される音がした。
あとはドアノブを引っ張るだけで、このドアは簡単に開けることが出来る。
「いつまで経っても慣れないよな。
秘密の部屋に行くみたいでドキドキするわ」
「それわかるぅ〜、次来る時は僕がやるからね!」
ドアを開けて中に入ると、すぐ横には上に続く階段がある。
そこを登れば、俺たちのアジトはすぐ目の前だ。
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