BLACK CAT

5/5
前へ
/9ページ
次へ
「ぶふっ·····くくくっ、あはははは!!! マジかよお前ら、バッカじゃねーの!? なんだよその漫画みたいな展開は!!!」 話し終えた途端、リーダーは我慢できないといった様子で大笑いしはじめた。 こっちは真剣に悩んでいるのに、リーダーときたらおもしろがっちゃって·········· この人に相談するのは、間違いだったか? 「つーかよ、なんで本当のこと言わないわけ? ドッキリでした〜って感じでネタバレすりゃ良かったじゃねぇか」 「む、無理っすよ!もし告白が嘘だってバレたら、俺たち退学ですよ!!?」 「それくらいの権力は持ってるよねぇ、アイツ。 さすがは次期生徒会長」 告白が実は罰ゲームだったと、本当のことを言うタイミングを逃してしまったのだ。 それに、まさかアイツが告白を受け入れるなんて、誰が想像しただろう。 「相手が雑魚なら、告白に応えたのを逆手に脅せるんだが·····そうもいかないか」 さすがのリーダーも、かなり考え込んでいる様子だ。 「しかしわからん。 聞くところによるとそいつは、誰もが認める優等生くんなんだろ? なのに何故、生徒会とは相反するコイツを受け入れたんだ?? しかも馬鹿だし、喧嘩っパヤイし、馬鹿だし」 「·····リーダー、馬鹿馬鹿言い過ぎっす!」 散々な言われようだが、リーダーの疑問は最もだ。 BLACK CATは、それなりに名の知れたグループである。そのメンバーである俺たちを、教師や生徒会、そして風紀委員はかなり警戒している。 特に生徒会とは、先輩たちの代からいがみ合っているらしく、今でのその名残は濃く残っていた。 「だからこそ、リーダーに頼ってきたんですよ。もうどうしたらいいのか、分からなくて」 「·····そう言われてもなぁ·····」 やはり、こればかりはリーダーでもお手上げか。 俺たちは顔を見合せ、少し落胆の色をみせる。 もはや、正直に話すしか道がないのかもしれない。 その場合、何とか相澤にお願いして、罰は俺だけに与えるよう説得するか·········· 「まぁまぁ、取り敢えず早まるなよ。 今の段階で思いつく限りのことはアドバイスしてやる」 「り、リーダー!!」 ああ、やはり僕らのリーダーは頼りになる! 一瞬でも無理だと思った俺たちが馬鹿でした!! 「いいか、よく聞けよ? 決して嘘だとバレず、尚且つ相澤というやつと別れることが最優先事項だ」 リーダーの言葉に、俺たちは大きく頷いた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加