Bonus Track. MY HOME TOWN

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 どうも我々日本人って、音楽のジャンルで『線引き』をしがちじゃないですか。えっと、例えば…大音量じゃないとハードロックを聴いちゃいけないとか。  薄暗い洒落たバーでウィスキーのロックを傾けながらじゃなきゃジャズを楽しんじゃいけないとか。  着物を着て正座をしていなきゃ和楽── お琴とか三味線なんかを嗜んじゃいけないとか。  でも本来音楽って古今東西老若男女、世代や場所も問わず、もっと自由に適材適所で楽しむべきなんだと思うんです。  出会った頃の靖夫さんってロックだのジャズだの、小さいことを気にしているなぁ。って、軽蔑すらしていたのですけど(笑)。  タモツさんに言われて、え~、ロックかよ!って思っていた僕の背中を靖夫さんが押してくれたことが、すごく嬉しかったんですよね。  まず自分自身がジャンルの壁を作ってしまっていたことを恥じるべきだと思うんですけど…  身近な人達の気持ちを変えることができていると言うことは、きっとラジオを聴いてくれているリスナーの皆様にも、僕達の思いが伝わっているはずだ、と。  僕達が歩んできた道が、間違っていなかったんだと証明できたような気がしました。せっかく東鹿時代の戦友だったタモツさんが用意してくれた凱旋の舞台ですもの。本気で取り組みましたよ。  結果はまぁ…大成功でしたね。ちょっと恥ずかしかったですけど」  写真は東鹿の漁港に組まれた特設ステージの上で、フェスに参加したミュージシャン全員とSurf106のスタッフが写るもの。  中央には電子ピアノの前に座る笑顔の優司が。 《DJとして、ピアニストとして、走り続けて来た優司さん。東鹿のフェスがひとつの到達点だったと振り返ります。  インディーズ市場から発売したCDの売れ行きも、渋谷を中心に行うライブの動員も軌道に乗って好調であったOffShore Dreamですが、転機が訪れます。  靖夫さんと美菜子さんとの結婚、そして美菜子さんのご懐妊です。
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