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俺が中学2年の1月。春で3年に上がり、
杏花は高校3年生で今年卒業、って時だった
「なんだよ、それ」
俺は怒っていた
「ふざけんなよ」
「直己」
「なんでだよ」
「直己」
「なんでそうなるんだよ!」
「直己、落ち着け」
両親が俺を見て驚いている
何にでも無関心で怒るのも面倒くさそうな息子が
珍しくキレたから慌てるのも無理ないよな
だってそうなるだろ
「直己、これはちゃんと」
「ちゃんと何?」
「お父さんとお母さんとお姉ちゃんが話し合って決めた事だから・・・」
「おかしいだろ!」
「直己・・・」
「なんで今更・・・血が繋がってないのなんて今更だろ?俺にも姉ちゃんにも子供の時から
杏花は血は繋がってないって、血は繋がってないけどお母さんもお父さんも繋がってないけど関係ない、家族には変わらないって、そう俺達に教えてきたよな!なのになんで今更!」
うちは多分他の家より仲が良くて、家族想い。
俺は無関心のように振舞ってるけど
そんな家族を見ながら幸せだなって思っていたんだ
血の繋がってる家族より家族
姉ちゃんは血は繋がってなくても
俺より父さん母さんと仲良かっただろ
「父さんも!母さんも!
血が繋がってなくても家族に変わりないって
そう言ってたのは嘘かよ?!」
「なお」
うちのダイニングテーブルに4人
向かいには父さん母さん、右隣には姉ちゃん
しばらくこの白熱したやり取りを口を挟まず見てい杏花が静かな声で俺の名前を呼んだ
「なお、養子縁組を解消したいってお願いしたのは私なの。」
「え・・・なんで」
「お父さん、お母さん 。私から話したい。部屋で2人で話してきていい?」
「・・・わかった」
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