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「ああ朝は誰でもなるだろッ! 便所行きたかったんだよッ!」
僕は立ち上がろうと身体を起こした花火の脚にしがみついた。
「触らせて」
「はあッ?」
座り込む花火の脚の間に身を乗り出して、脚の付け根の膨らみを見詰めてから、花火を見上げる。
「少しだけでいいから……嫌?」
眉間に皺を寄せ、顔を真っ赤にして、僕を見詰めた後、観念したように「少しだけなら」と目を逸らしながら言った。
僕は花火の着ているスウェットのウェストの紐を解いて、ぐいと引っ張り穿いていたパンツを覗き込んだ。驚いたのは、彼の竿の尖端がボクサーパンツから見えていたことだ。
ドキドキしながら、パンツをずらすと硬くなった花火の中心が目の前に現れる。
「……花火の、すごくおっきい」
「別に普通だろ。一温のが小さいんじゃね?」
「僕のは……平均サイズだと思うけど。プールとかで同級生の見たことあるけど」
どう考えても花火は日本人の平均どころか全人類の平均を超えた大きさだ。
「あー、俺体育全部見学だったし、修学旅行とかも行ってないし、トイレはいつも個室だし? 他人のやつAVでしか観たことねぇかも」
「そう、なんだ」
「そ。他人と接触する機会多いし、ほら背中の傷とかあるしさ。センコーも流石に何も言わなかったわ」
花火が他人との接触を極力避けていること、特に背後を無防備に晒すことを嫌っていることは一緒に生活していて気付いていた。
だから教室の席も映画館の席も一番端の最後列。花火が嫌だからというより、危害を加えないための予防線でもあるのだろう。
「……AV観るんだ」
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