週末の夜

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 お互い、それぞれ夕飯を済ませ、身体を清めたころにくるようにと言われた。  濱津の部屋のチャイムを鳴らして、ドアが開くと、如何にも風呂上りと言ったいで立ちに思わず抱きしめた。 「ハル…」 「そう呼ぶのはするときだけだって言ったろ」  腕の中で悪態をつくこの人が愛しい。 「するでしょ?」 「こんなところでか? ここでするわけないだろ。呼ぶのはベッドの上だけにしてくれ、って、やめろっ」  素直じゃない。可愛い。抱き締めたまま持ち上げて、肩に担ぐ。もう勝手知った部屋だ。背中を叩かれるのを無視して寝室に運んだ。 「ここ以外でハルって呼んだら、僕の方が異動希望だすからな」  ベッドにおろされると、きっとついさっき着たばかりの服を脱ぎはじめる。  こちらを見ないようにして、背を向けるから、その背中に覆いかぶさって、首筋に唇を触れた。  こうすると濱津は何とも言えないため息を吐く。  前の反応はないが、背中に響いてくる鼓動が強く、期待されているのがわかる。後ろをジェルをつけた指でゆっくりと暴いて行く。  濱津はされるがままで、こちらに触れようとはしない。 「ハル、好き。大好き」 「いうな。僕は好きじゃない」  反発するくせに腰をくねらせて、求めてくる。 「もう、入れろよ。イキたい…」  受け入れる気まんまんの濱津のそこは、いきり立った俺をぐいぐいと飲み込んでいく。  強い締め付けに漏れそうになるのをこらえると、なんだか鼻の奥がジンとした。  グイっと奥を突く。濱津は背を強張らせて、声を上げた。 「あぅ、っ…。(こう)、こ、…今のもっと、もっと」 「ハル、すっごく気持ちいい。好き。好き…」  気持ちいい。  濱津の声が大きくなっていくごとに、締め付けが強くなって、食いちぎられると思うくらいの痛みで、思わず呻きが零れる。  絶頂感に浸っている濱津はきっと気づいていない。力が抜けていくのを感じながら、俺もイク。  最高の瞬間だ。  まどろんでいる濱津の頬に唇を寄せる。 「キスは嫌だ」  手で押しのけられ、ぼんやりとした声で拒絶される。 「男同士だから?」  表情を見ようとのぞき込むと背を向けられる。 「会社で顔見れなくなる…」 「うちの会社、マイノリティに寛容だと思いますよ」  背中から抱きしめた。
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