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どちらも自分から告白するようなタイプではない。そもそも男同士だ。年齢以上の問題があるだろう。
なんだか腑に落ちない。
「もしかして、迷惑、だったか?」
晴夫が首を振ったものだから驚いたようだった。
「いいえ! そんなことはちっとも。ただ…、その歓迎会の後のこと、僕、あまり記憶がなくて…」
「そんなに、飲んでたか?」
「それが、そんなつもりなかったんですけど、だいぶ酔っ払ってたみたいで…」
一次会では大して飲まなかった。
二次会で辻谷課長と飲んでいた時は、あまり濃くないグレープフルーツサワーだけだった。
アルコールに弱い方ではない。
あれだけでは記憶をなくすほどの酔いにはならなかったはずだ。しかしその後にだいぶ飲んだのだろうか。
ガールズバーでは、課長と話し終えてから大悟と大山崎と少し話して、あと、誰かと話しただろうか。
その辺からが曖昧になってくる。
「課長と一緒に駅に向かいましたよね?」
「ああ、だが途中で加藤がカラオケに行こうと誘っているところに出会って君もそれに合流したんじゃなかったか?」
三次会があったのだ。
思い出せない。
加藤係長と他に誰がいたのだろう。
昼休みにでも係長に聞いてみようと思った。
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