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「ん?」
「もっと」
「もっと?」
彼は少し爪を立てて和泉の乳首を弾いた。
「んんっ」
「ああ、これがいいんだ」
指先で捏ねる、爪先で弾く。
和泉のモノがはち切れんばかりに天を仰ぐのがわかる。
だから今度はその周辺に舌を這わせる。でも……。
「あんっ……やだ。さ、触って、よ」
直に触ってもらえないもどかしさ。
袋や鼠径部を濡らす舌は、しかし棒そのものには触れてくれないから。
和泉は眦に涙を浮かべて彼を見た。
「握って……」
素直に、言う。
和泉の性格がかわいいと思う。
彼は和泉の既に硬くなったモノを軽く握り、先端を口に含んだ。
「ああっ……ん」
彼の口腔内は適度に温くて、射精感は一気に膨れ上がる。
先走りが恥ずかしいくらいに涌き出るのがわかる。
「いいよ、先、一回出そう」
彼は優しく言って、内圧をかけて吸い上げた。
掌がそれに併せて上下し、和泉は間もなく白濁した精液を彼の掌に放った。
「や……はあっ……」
息も荒く射精した和泉は、ぐったりと彼の胸に寄りかかる。
「気持ちよかった?」
和泉の精液を少し舐めて、残りを潤滑油として後ろに塗りながら彼が訊く。
「うん……弘、ごめん。オレ、先イっちゃった」
「いいよ。ずいぶんたまってたみたいだし」
「う……」
「俺がイくまで、今度はのんびりやろう」
俯いた和泉の耳元に、彼のテナーがいやらしく響く。
彼のこんな時の声がこんなにも淫らに響くことを、一体誰が知っているだろう。
「和泉?」
声が、擽る。
和泉のイったばかりのモノが、少しだけ持ち上がり、彼は苦笑した。
「若いね」
「うー」
「唸るなよ。おいで、今度はこっち」
和泉を反転させ、さっきの放出で少しだけ濡らしている孔に、ベッドサイドに準備していたオイルを今度は丹念に塗り始めた。
「ふ……ん」
ひんやりとして滑ったそれが塗られる感覚に、和泉は少し声を上げる。
それがかわいくて、彼はオイルのついた指を一本、裡へと穿った。
「はんっ……」
まだ入るとは思っていなかったから、突然の侵入に驚く。
「ああ、いいね、和泉。すごい、締まってきた。でも、もうちょっとだけ力、抜いて。俺のが入らないよ」
口で言いながら、指を抽挿する。
くちゅ、くちゅ、と湿った音を立てて出入りする指を、少しゆるんだそこにもう一本増やし、中で指を交差させる。
「やっ……あっ……イい」
指の関節が当たる場所が、丁度ソコになるのだろう、和泉は声を少し高くして啼き始めた。
「いい……あん……ひ、ひろむう」
ぐちゅぐちゅと音を立てるそこは、既に弘を待ちかまえているようで、和泉のモノは完全に上を向いて泪を垂らしている。
「挿れるよ」
言って、彼は和泉のよりも一回りは太い自身をそこに宛い、ぐっと押し込めた。
「ああーっ」
一際大きく和泉が喘ぎ、力無くベッドへと顔を伏せる。
羞恥も何もなく、ただ欲望の徒となった獣の姿で彼を銜え込み、和泉は腰を振る。
後ろから覆うようにそんな和泉を抱きしめて、彼は和泉の猛りを自分の動きに併せて扱いてやり、解放へと向かわせた。
肌がぶつかる音と、二人の荒い息遣いと、結合部の湿った音。
それらが最高に達した瞬間、二人は重なってベッドに倒れ込んだ。
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